
はじめに
「わたしとここで暮らす人と
株式会社シンクハピネス VISION
医療と福祉が
それぞれ“いい感じ”になっている社会をつくる」
そんなビジョンをもった株式会社シンクハピネスの代表取締役、糟谷明範さんをお迎えし、
初の単著『境界線を曖昧にする──ケアとコミュニティの関係を耕す』の出版記念トークイベントとして幅広くお話をうかがいました。
当日は、本の主題である「つながり」からはじまり、
会社やチームづくりのこと、そして「境界」や「あいまいさ」についてへと、
ゆるやかに話が広がっていきました。
「つながり」という言葉を見つめ直す
「つながり」という言葉は、誰もが肯定的に使う便利な言葉です。
けれども、その心地よい響きの裏に、
ほんの少しの違和感や危うさも潜んでいるように感じます。
ある“つながり”が生まれることで、誰かが嬉しくなる一方、
その隣で別の誰かが取り残されてはいないか。
糟谷さんは、そんな問いかけで話をされました。
話を聞きながら、私自身も、そして参加者のみなさんも、
「つながり」という言葉を改めて自分の言葉として捉え直す時間になりました。

会社とチームのかたち
トークの途中からは、私を含め、参加者からの感想や質問をもって対話する時間となりました。
私からは、著書の第2章や第3章で描かれた、会社が軌道に乗るまでにどれくらいの時間がかかったのか。
また、どのように普段、代表としてチームに働きかけているのかを尋ねました。
印象的だったのは、チームが落ち着くまでには長い時間がかかるということ。
会社として、チームとしての関係性が安定してきたのは、起業からおよそ10年経った最近ではないか、ということ。
そして、チームへのかかわり方やミーティングで語りかけるときは、個人を主語にせず「会社」を主語にする。
なにか課題が見つかった時は、「制度」や「ビジョン」「方針」等に問題がなかったかを考える。
そうした姿勢が、組織全体の安心感を支えているのだと感じました。
会社のビジョンは、
「わたしとここで暮らす人と
医療と福祉が
それぞれ“いい感じ”になっている社会をつくる」。
“いい感じ”という平易でありつつ抽象的な言葉にも、みんなに考え続けてほしいという糟谷さんの想いがありました。
行動指針として掲げているのは、
「問い続ける」「調律をする」「丹念なサービス」の三つ。
ひとりひとりが問いを持ち、ともに考え、高め合うチームのあり方が伝わってきました。
また、医療・看護・福祉という、命や健康に関わる専門性ならではの矜持を感じました。

「境界」と「曖昧にする」
参加者から、「どうやって“曖昧”にできるんでしょうか?」という質問が出ました。
糟谷さんは、「曖昧にするためには、自分の輪郭をしっかり持つことが大切」と話します。
医療や福祉、暮らし(コミュニティ事業)の各々が、自分の領域での専門性と責任を保つ。
その前提があるからこそ、境界をやわらかくできる。
境界があることを前提に、その線を面的に少しずつゆるめていく。
「わたし」も「あなた」も入れる縁側やあわいのようなところの大切さを感じました。

func(ファンク)という場所で私が考えたこと
会場からも、いくつもの感想や問いが続きました。
それぞれの考えがそのまま尊重されている雰囲気が、印象に残りました。
func(ファンク)では、つながりたいときにつながり、
そうでないときは一人でいられる。
そんな行き来のしやすい場でありたい。
この日の対話を通して、
その“ちょうどよい関係”とはどんな状態なのかを、
改めて考え続けるきっかけになりました。


皆様、ありがとうございました!
引き続き糟谷さんの出版記念イベントは各地で行われます。
最新のスケジュールはnoteをご確認ください!